珍しい中国黄銅製印章４点亀鈕２点と水鳥１点が合体した亀鈕１点

中国の黄銅製亀鈕（きちゅう）の印章です。鈕（ちゅう）とは印章や銅鏡などの裏の突起状のツマミのことで、亀鈕は亀型ツマミです。 画像写真でご覧いただけるように、外と内１～内３の４点からなる「入れ子」構造で、底面に篆刻（篆書の彫刻）のある印章です。外と内１は甲羅に色・模様のある亀鈕、内２は甲羅の、内３は水鳥の鈕、内２と内３は子母印で合体すると亀鈕になる珍しいものです。 印章は字体部分が浮き出る朱文型で、画像写真８、９枚目の向きで押印すると、字体が反転した印鑑（印影のことを言うようです）が出現します。出品の亀鈕印章の篆刻を判読できるだけのネット情報は極めて少なく、極少の情報から確信をもって判読できたのは、内１『相州之印』のみで、次のように多くが？です。 内３（子印）『李吉？』、内２（母印）『李造次？印、李次？造印』、外『将？相？公？侯？長？王？』は６字すべて？です。 内３と内２は人名の私印でしょうか。内１は、中国にかつて存在した州（唐朝の行政区分の一つ）の印章では。外は唯一見つかった解説記事に記載の『公侯将相印章』からですが、将軍や宰相、王や諸侯の印章なのでしょうか。 篆書は、表記に一定の規則はあるのでしょうが、一つの文字に対してその字体は幾通りも、特に印章には繆篆（びゅうてん）と呼ばれる屈曲の多い篆書が。出品者には、特に外の公？、長？以外の？字は、篆書なのかどうかも分かりません。 出品の亀鈕印章は、当時使用されていたものではなく、後世に復刻されたチャイニーズ・ファイン・アートではないかと思います。 何を思ってか天空をきっと見据える顔の表情は、何とも言えず神秘的で魅力的です。 汚れや緑青、キズなどからも骨董であることがうかがえますが、何時頃のもので経年は、などは不明です。 大きさは約、高さ５０ｍｍ、底面４５ｍｍ角、長手（口先～甲端）５０ｍｍ、全体の重さは約３８０ｇです。 亀は長寿の象徴、金運の縁起物と考えられています。チャイニーズ・ファイン・アートとして、コレクションに、置物に、飾りに、或はペーパーウエイトなどに活用していただければ幸です。また、印章の篆刻は判読できていませんので、さらに調べていただければ嬉しい限りです。